ウォンテッドリーは2024年3月、「Wantedly Assessment 性格診断」をリリースしました。特定の質問に答えることで、仕事における自身の「性格タイプ」と「個人傾向」を知ることができ、公開から約1年半で累計診断数は10万件を突破しています。
そしてこの度、性格診断の“体験価値”を高めることを目的に、ボードゲーム『THINK×SYNC(シンク バイ シンク)』を企画・制作しました。
私たちがなぜオリジナルのボードゲームを制作したのか?この記事では、その背景にあるコンセプトやデザインの思想を紐解いていきます。
経験から生まれたアイデア
私たちのミッションは、「究極の適材適所により、シゴトでココロオドルひとをふやす」こと。それを実現するうえで、重要なコンテンツである「性格診断」を世の中にどのように広めていくかは重要なテーマの一つです。
過去に展開したPRのキャンペーンなどの経験から、「診断をきっかけに語り合う」という体験そのものに価値があると認識していました。そこで「ゲーミフィケーションの要素を取り入れることで、性格診断の体験価値をさらに高められ、受診者の増加につながるのでは?」という仮説をもとに、プロジェクトが動き始めたのでした。
ゲームで「性格診断」の体験価値を高めるには?
プロジェクトは、ゲーム全体のコンセプトを定めるところからスタート。開発パートナーと共に議論を重ねながら、チームメンバー同士の「相互理解」を深め、エンゲージメントを高める体験をどう設計できるかを探っていきました。
試行錯誤の末に生まれたコンセプトは、「自分ならどう動く?あの人はどう動く? チームの相互理解を深める協力型ボードゲーム」。
ゲームのルールは、あるシチュエーションにおいて、4つの選択肢から優先順位を決め、メンバー同士で互いの答えを予想し合うというシンプルなものに。そのやり取りを通じて、自然とチームの理解が深まる設計にしました。
またゲームの結果に応じて、チームのエンゲージメントを高めるオフラインでの「ミッション」も設定。プレイ後も相互理解の時間が続くように、リアルな場面での体験設計にもこだわりました。
試行錯誤を重ね、体験を磨く
全体の構想が固まったあとは、プロトタイプを制作し、オンライン上でテストプレイを実施。加えて、簡易的なカードを作成し、ボードゲームが好きな社内メンバーに実際にプレイしてもらいました。得られたフィードバックをもとに、細部のルールやデザインを磨いていきました。
「性格診断」×「ボードゲーム」。シナジーを生むデザインを
多くの人に「性格診断」を受診してもらい、自己理解と相互理解を深めていく。このプロジェクトの大きな目的を実現するために、「性格診断」と「ボードゲーム」それぞれの世界観をリンクさせるデザインを構想しました。
一貫性を持たせたタイトルロゴ
ゲームのタイトルは複数のアイデアをもとに、社内メンバーにも感想を募りながら、候補を絞っていきました。最終的に決まったのが、『THINK×SYNC(シンク バイ シンク)』です。“プレイヤーがそれぞれの思考(THINK)を持ちながら、その考えを周りと同期(SYNC)させる”というゲームの特徴を表現しています。
ロゴデザインは、四色のキャラクタータイプのキーカラーの組み合わせで構成。一貫性を持たせることで、性格診断とのつながりを感じさせる要素として機能するよう意識しました。
にぎやかさと洗練さを共存させたパッケージ
パッケージは、ボードゲームらしく「手に取ったときに、楽しそう」と思えるデザインを目指しました。16種類のキャラクターをランダムに配置することで賑やかな印象に。一方で、ウォンテッドリーのデザイン哲学である「洗練さ」を損なわないよう、イラストのサイズなど細部を調整しながら仕上げていきました。
推敲を重ねたシチュエーションカード
何度も楽しんでプレイしてもらいたい。その想いから、合計64パターンものシチュエーションカードを制作しました。普段の生活で起きそうな出来事を描いた「日常編」と、性格診断の世界観を踏まえた「キャラクター編」の2タイプがあり、それぞれの選択肢も一つひとつ言葉を磨き上げながら調整を重ね、完成へと近づけていきました。
また、カードには各シチュエーションに合わせたイラストを添え、プレイヤーが情景を思い浮かべながら楽しめるようになっています。
カードのほか、ゲームボードや説明書などもトータルでデザイン
完成したボードゲームは、ウォンテッドリー主催のイベント「FUZE」の特設ブースで、来場者限定で配布しました。また2025年10月には、Wantedlyの新機能「カルチャーマップ」と連動したプレゼントキャンペーンを実施。このボードゲームが、みなさんのチームの相互理解を深めるきっかけになれば嬉しく思います。
Creative Direction : Yusuke Mochizuki
Art Direction / Design : Mayo Uchimura
Editorial Direction: Akihiro Uemura
Planning: Kumi Tsunoda
Produce / Game Design: Takeshi Fujii(MIRAI Inc.)